雨の日の屋外業務、お使いのレインウェアがゴワゴワして腕が上がりにくい、屈むと背中が突っ張る…といった経験はありませんか?

その「動きにくさ」は、単なる不快感にとどまりません。実は、作業効率の低下やストレス、しいては疲労の蓄積にまで繋がっている可能性があります。デリバリーや訪問サービス、建設現場など、持続的な集中力が求められるプロの現場において、これは見過ごせない大きな問題です。

本記事では、レインウェアの「動きやすさ」を分析し、快適な一着を選ぶためのポイントをプロの視点で徹底解説。トキワが新たに開発した「レインナビゲーター」を例に、最新の技術と現場のニーズから生まれた工夫を紐解いていきます。

「動きやすさ」の鍵は“生地素材”にあり!

レインウェアの着心地や動きやすさを左右する最も大きな要素は、生地の素材です。

1. 防水性と動きやすさを両立する「機械弾力生地」

レインウェアに用いられているポリエステル機械弾力生地

「動きやすいレインウェア」と聞くと、多くの方が「ストレッチ素材」を思い浮かべるかもしれません。現在、多くの衣服に採用されている同素材は、レインウエアにおいても採用され、多くの支持を得た生地特性です。

その「ストレッチ素材」の多くは表の生地で使用する糸にポリウレタン製の糸を使用しています。ポリウレタン製の糸は伸縮性に優れ、その糸で織られた生地が動きやすさ(ストレッチ)を実現し、その生地で作られたウエアはストレッチを表現します。

しかし、ポリウレタンという素材は前記事(レインウエアの蒸れ対策)でも解説した通り、レインウエアという防水衣料としては課題があることから、私たちはポリウレタンの糸を使用しない形での動きやすさを追究してきました。

そこで「レインナビゲーター」は、ポリウレタン糸に頼らず原糸とその織り方に変化をもたらす技術によって、生地自体の伸縮性を実現しました。

この生地が今回採用したこれまでのストレッチ性レインウエアとは全く異なる「ポリエステル機械弾力生地」です

2. 自然で滑らかな着心地を実現した「TPUラミネート」

レインナビゲーターの構造

多くの業務用レインウェアでは、高い防水性と耐久性、コストパフォーマンスから「PVC(ポリ塩化ビニル)樹脂」を、裏面にラミネートした生地を採用してきました。しかし、その丈夫さゆえに生地が硬く、ゴワゴワとした着心地になってしまうというデメリットが課題としてありました。

その課題払拭の為、PVCに配合される薬剤を調整するなど試行錯誤した結果、私たちが着目したのが、PVCではない素材 「TPU(熱可塑性ポリウレタン)ラミネート」でした。TPUはゴムのようなしなやかさを持ちながら、非常に軽量なのが特徴。このTPUを前述の表地にラミネートすることで、従来のレインウェア特有の硬さをなくし、まるで衣服のような自然で滑らかな着心地を実現しました。

もちろん、業務用として必須の防水性は一切妥協していません。生地選定における必須条件として高い耐水圧を前提に、選ばれた生地の検査結果では26,000mm以上という高い数値を記録プロの現場で求められるタフな防水性能は維持したまま、これまでにない快適な着心地と軽量感を手に入れたのです。

3. 腕の動きを解放する立体設計「ラグランスリーブ」

レインナビゲーターはラグランスリーブを採用

素材だけでなく、ウエアの設計も動きやすさを左右する重要なポイントです。
一般的なジャケットに多い、肩のラインで袖が縫い付けられている「セットインスリーブ」に対し、「レインナビゲーター」では肩から袖が一体化した「ラグランスリーブ」を採用しています。

セットインスリーブとラグランスリーブ

ラグランスリーブは、肩や腕の可動域が格段に広くなるのが最大のメリット。腕を上げたり、回したりといった配送や作業時の大きな動作でも、生地の引っかかりや突っ張りを感じにくくなります。前述したしなやかな生地と、このラグランスリーブを組み合わせることで相乗効果が生まれ、飛躍的に作業性が向上するようになっています。

「防水性」と「動きやすさ」この2つを両立することが、長年レインウェアと向き合ってきた私たちだからこそ辿り着いた最適な答えです。

よくある質問(FAQ)

ここでは、皆様からよく寄せられる質問にお答えします。

生地が柔らかいと、従来の製品より防水性が落ちるのでは?

ストレッチ性はありますか?

どのような業種・職種におすすめですか?

まとめ:「動きやすさ」は、生産性を向上させる重要な機能です


レインウェアの進化は、単に雨を防ぐという目的から、いかに雨の日の業務を快適にし、パフォーマンスを維持するか、というステージへと進んでいます。

レインウェアの「動きやすさ」とは

  1. 防水性を犠牲にしない独自の伸縮性生地「機械弾力生地」
  2. ゴワつきを抑え、自然な着心地を実現した防水樹脂「TPUラミネート」
  3. 腕の動きを解放する立体設計「ラグランスリーブ」

といった、この3つの多角的なアプローチによって初めて実現されます。
雨の日のパフォーマンスを最大化するために、ぜひ一度、お使いのレインウェアを「動きやすさ」という観点で見直してみてはいかがでしょうか。

トキワの技術を結集した新製品「レインナビゲーター」は、今回ご紹介した全ての要素を高いレベルで満たし、「動きやすさ」を追求したレインウエアです。

「レインナビゲーター」は2026年2月〜3月一般販売開始予定です。
製品の仕様など、ご質問などがございましたらお気軽にお問合せ下さい。