
レインウェアを着用した時、内側のベタつきや、ひんやりとした感触が気になったことはありませんか?特に汗をかく季節や、長時間の作業では、その不快感がストレスになることも少なくありません。
実は、その不快感を解消し、レインウェアの製品寿命と快適性を大きく向上させているのが、内側に付けられた「裏メッシュ」の存在です。
一見すると、その価値が不透明に思えるこの付属にはプロユースの製品ならではの、計算された重要な役割が隠されています。今回は、この縁の下の力持ち、「裏メッシュ」の本当の価値について徹底解説します。
レインウェアの生命線「防水樹脂」を守る保護シールド

レインウェアの生地の裏面には、雨の浸入を防ぐための防水樹脂が施されています。この防水樹脂は非常にデリケートで、素材によっては、摩擦や汗などの水分が付着することで、時間と共に劣化し、剥離してしまうことがあります。
裏メッシュが果たす最も重要な役割は、このデリケートな防水樹脂と肌や衣服が直接触れるのを防ぐことにあります。
確かに、収納性や軽量さを最優先した製品や、低価格なウェアには、裏メッシュがないものも存在します。メッシュがある分、収納時のかさばり、重量にも影響するという見方があることは事実です。
しかし、私たちトキワはレインウェアの根幹である「防水性」を最優先に考えています。そのため、裏メッシュは防水製品における「重要な付属」と位置づけ、デリケートな防水樹脂を保護するという観点から製品には必ず裏メッシュを採用しています。
一方で、アウトドア系の高機能ウェアでは、透湿防水フィルムを生地で挟み込んだ「3レイヤー」や「2.5レイヤー」といった、裏メッシュではないレイヤーで(樹脂に張り合わした編み物)構成された製品も多く見られます。これらのウェアは非常に優れた透湿防水性を発揮しますが、レイヤーが更に加わるということでのムレに課題があります。また、企業がユニフォームとして定期購入するには、コスト面で検討の余地があるのも実情です。
トキワの業務用レインウェアは、「低価格だが防水性や樹脂の劣化に不安が残るウェア」と、「高性能だが高価なウエア」のちょうど中間に位置します。プロの現場で定期的に購入され、かつ防水性と耐久性があること。その実用的なバランスを追求した結果が、私たちの「裏メッシュ付き」という仕様なのです。
ベタつきを抑え、サラサラの着心地をキープする快適性

雨の日や湿度の高い環境では、レインウェアの内側が肌に張り付くような、独特の不快感があります。
裏メッシュは、生地と着用する衣服との間に空気の層を作ることで、このベタつきを軽減します。汗をかいてもサラサラとした肌触りを保ち、快適な着心地が持続。また、生地が直接衣服に触れないため、特に気温が低い季節に着用した際の「ひんやり感」が和らぐという効果もあります。
この「快適性」は、長時間にわたる屋外業務において、作業員の集中力維持やストレス軽減に直結する、非常に重要な機能と言えるでしょう。
スムーズな着脱を実現し、衣服へのダメージを防ぐ潤滑剤

裏メッシュには、内側に着ている洋服のボタンや装飾品、安全ピンなどが、防水生地に直接引っかかるのを保護するという実用的な目的もあります。滑りの良いメッシュ素材が潤滑剤のような役割を果たし、スムーズな着脱をサポート。急な雨でも、慌てることなく迅速に着用することができます。
進化した快適性へ。トキワ「レインナビゲーター」の新しい裏メッシュ

これまで解説してきたように、裏メッシュはレインウェアの防水性と快適性を支える重要なパーツです。そして、私たちトキワが新たに開発した「レインナビゲーター」では、この裏メッシュにも従来品と異なるメッシュを採用しています。
それは、目付のある(目が細かい)、肌触りの良い、耐久性にも優れた特殊なメッシュ素材を採用。細部にこだわることで、レインウェア全体の快適性を一段上のレベルへと引き上げ、その違いは、袖を通した瞬間に必ずや、実感していただけるはずです。
レインウェアによっては、メッシュは上衣だけに付いているものもありますが、「レインナビゲーター」は上下ともにメッシュの付いた「総裏メッシュ仕様」です。
よくある質問(FAQ)
裏メッシュがあると、逆に蒸れたり、かさばったりしませんか?
裏メッシュが着用する衣服と防水布(生地)との間に空気の層を作るため、快適な状態を保ちます。裏メッシュがないレインウエアの「着用する衣服や肌への張り付き、汗によるベタつき」との違いを感じるはずです。
裏メッシュがないレインウェアもありますが、何が違うのですか?
裏メッシュがないタイプは、生産コストを抑え、軽量性や収納性を優先した製品と考えられます。しかし、本記事で解説した「防水樹脂の保護」「ベタつきの軽減」といったメリットは得られにくくなります。毎日のお仕事で快適に、そして長くお使いいただくためには、裏メッシュ付きの製品は必須で、私たちトキワはおすすめします。
裏メッシュのお手入れで気をつけることはありますか?
基本的にはレインウェア製品についている洗濯表示に従ってください。一般的には、ファスナーやボタンをすべて閉じてから、優しく手洗いしてください。汗や水分が付着したままだと素材によっては防水樹脂性能の劣化に繋がるため、定期的にお手入れすることで、メッシュも本体も長持ちさせることができます。
まとめ:見えない部分にもこだわり。本物の業務用レインウェアは裏地で選ぶ

レインウェアを選ぶ際、ついデザインや着心地に目が行きがちですが、本当に快適で長く使える一着は、裏メッシュのような見えない部分にこそ、メーカーの思想とこだわりが表れます。
- 裏メッシュの存在が防水樹脂を保護し、製品寿命を延ばす。
- ベタつきを防ぎ、快適な着心地を保つ。
是非、レインウェアを検討する機会に、ウエアの内側を確かめてみてください。トキワは、プロフェッショナルの仕事を支える最高の一着を細部にまで一切の妥協なく製品を開発しています。
トキワの技術を結集した新製品「レインナビゲーター」は2026年2月〜3月一般販売開始予定です。
製品の仕様など、ご質問などがございましたらお気軽にお問合せ下さい。




