
雨の日の夕暮れ時や夜間、車を運転していて、暗い色の服を着た歩行者や自転車に「ヒヤリ」とした経験はありませんか? もし、その対象が自社の従業員だったら…
デリバリー、訪問サービス、警備、インフラ点検など、天候に関わらず屋外で業務を行う従業員にとって、交通事故は常に隣り合わせの重大な危険です。
企業には、従業員が安全に働けるよう配慮する「安全配慮義務」があります。レインウェアを選ぶ際、防水性や快適性はもちろん重要ですが、これからは従業員の命を守る「安全性(いかにドライバーから見えやすいか)」を最優先の基準とすることが、不可欠なリスクマネジメントと言えるでしょう。
なぜ「見えにくい」のか?雨と夜に潜む危険性

雨の日は、ただでさえドライバーの視界が悪くなります。フロントガラスの水滴や対向車のライトの乱反射に加え、路面も滑りやすく、危険を発見してから車が停止するまでの距離(停止距離)は長くなりがちです。
特に夜間、ドライバーが歩行者を認識できる距離は、その服装の色によって劇的に変わることが知られています。
ドライバーが夜間に歩行者を認識できる平均距離

- 黒っぽい服:約26m
- 明るい服(白・黄):約38m
- 反射材付きの服:約57m以上
時速60kmで走行する車が、乾燥した路面で停止するまでに必要な距離は約44mと言われています。雨で路面が濡れていれば、さらに伸びます。
このデータが示すのは、黒っぽい服はもちろん、白や黄色といった明るい色の服でさえ、ドライバーが気づいてからブレーキを踏んでも間に合わない可能性が非常に高い、という恐ろしい現実です。
見落とされがちな「安全性の穴」

「うちのレインウェアも、背中に反射ロゴが付いているから大丈夫」
そうお考えかもしれません。しかし、そこに安全性の「穴」が潜んでいます。
多くの一般的なレインウェアは、コストやデザインの都合上、反射材が「背中のロゴだけ」「腕のワンポイントだけ」といった仕様に留まっています。
これでは、反射材のついている方向から来る車には有効かもしれませんが、違う方向から来る車には気づいてもらえません。
実際に、夜間の事故は後方から追突されるケースだけでなく、「前方つまり正面から衝突するケース」も多く発生しています 。これは、ドライバーが向かい側から来る対象者(歩行者や自転車)を認識できなかったことが原因です 。
交差点や駐車場、お客様の敷地内など、多方向から車が行き交う現実の業務環境において、ワンポイントの反射材だけでは安全を確保しきれないのです。
トキワの回答:安全性を追求した「レインナビゲーター」
私たちトキワは、レインウェアを単なる雨具ではなく、働く人を危険から守る「安全服」として捉えています。現場の「ヒヤリハット」を徹底的に研究し、たどり着いた答えが、新商品「レインナビゲーター」の安全設計です。
特徴1:前後左右から光を放つ「反射パイピング」
レインナビゲーターは、一般的なレインウェアによくあるワンポイントではなく、高コストであっても安全性を優先し、前後に「反射パイピング」を採用しました 。

前述の通り、前方からの衝突事故を防ぐため、あえてコストをかけて前面(両肩部)にも反射パイピングを施しました 。これにより、正面から向かってくるドライバーにも対象者をしっかりと認識させることができます 。

背中(ベンチレーション部) の反射パイピングも、後方からの車両に対し、強力に存在をアピールします。
これらの前後への戦略的な配置により、どの角度からヘッドライトが当たってもパイピングが光を放ち、ドライバーへ早期に存在を知らせることが可能になります。
特徴2:光がない場所でも目立つ「高視認性カラー」

反射材は、車のヘッドライトのような「強い光が当たって初めて」その機能を発揮します。
しかし、危険なのは夜間だけではありません。曇天時の薄暗い日中や、ヘッドライトがまだ点灯しない夕暮れ時(暗中時)は、レインウェア自体の「色」が視認性を大きく左右します。
レインナビゲーターは、定番色に加え、悪天候下でもドライバーの目に留まりやすい「イエロー」「ターコイズ」「オレンジ」といった高視認性カラーをラインナップしています 。

特に「オレンジ」は、従来品よりも視認性向上を目的に、より濃い色合いに変更しました 。警備関係や消防関係のニーズにも応える、際立つカラーです 。
なお、前たて内側や襟の部分については、本体色ロイヤルブルーのみ内側ターコイズ、その他はネイビーになります。
| 本体色 | 前たて内側・襟 |
|---|---|
| ロイヤルブルー | ターコイズ |
| ターコイズ | ネイビー |
| イエロー | ネイビー |
| オレンジ | ネイビー |
| ネイビー | ネイビー |

よくあるご質問(FAQ)
Q. なぜ背中だけでなく、前(肩)にも反射材が付いているのですか?
A. 一般的なレインウェアは背中だけの場合も多いですが、交通事故は後方からだけでなく、前方(対向車)から衝突するケースも少なくありません 。これはドライバーが前方から来る対象者を認識できなかったことが原因です 。レインナビゲーターは、前方から来るドライバーにもしっかり存在を知らせるため、あえてコストのかかる前面(両肩部)にも反射パイピングを採用しています。
Q. 反射パイピングは、どのくらい光って見えますか?
A. 視認できる距離は、天候や車のライトの強さ、角度など様々な条件によって変動しますが、暗い状況で光が当たった際に、ドライバーができるだけ早期に対象者を認識できるよう設計されています。特に、事故が起きやすい前方からの車両にも対応するため、両肩に配置している点が特徴です。
Q. 夜間だけでなく、明け方や夕方の安全性も考慮されていますか?
A. はい。反射材が機能しにくい明け方や夕暮れ時の安全性を高めるため、ウェア本体の「色」にも配慮しています。特に「オレンジ」は、視認性を高めるためにより明るい色合いに変更しました 。このカラーは警備関係や消防の色にも近く、悪天候下でも目立つことが特徴です 。
まとめ:従業員の安全確保は「着る装備」から

雨天・夜間業務における従業員の安全は、レインウェアの「反射材の位置」と「色」によって劇的に向上させることができます。
トキワの新商品「レインナビゲーター」は、前後左右からの視認性を確保する反射パイピングと、悪天候でも目立つ高視認性カラーで、現場で働く人々を交通事故の危険から守ります。
大切な従業員を守るための「安全投資」として、今お使いのレインウェアの「安全性」を、ぜひ一度見直してみませんか?
「レインナビゲーター」は2026年3月一般販売開始予定です。
製品の仕様など、ご質問などがございましたらお気軽にお問合せ下さい。



